"胸痛" 胸部の痛みについての解説ページ
【胸の痛み】
胸の痛み 心筋梗塞との見分け方
夜中にふと目が覚めて 胸がズキッとする
「これって…心筋梗塞じゃないよね?」
そんな不安で スマホ検索を開いてしまう ——
外来でも よくお聞きするシチュエーションです
胸の痛みは
心臓・胃・肋間神経・筋肉・肺・骨など
いろいろな臓器が原因になり得ます。
その中でも見逃したくないのが、心筋梗塞や狭心症など心臓の病気です。
まず覚えておきたい「すぐ救急車」の胸の痛み
つぎのような胸の痛み・苦しさは、迷わず119番を検討してよいレベルです。
心臓の症状は医師でも判断に迷います。
少しでも不安があれば、躊躇せずにかならず医療機関を受診しましょう。
特に下記の症状、救急車をためらう必要はないと、私は考えます。
- 突然の締め付けられるような強い胸の痛み・圧迫感
- 10分以上続く痛みで、安静にしても良くならない
- 冷や汗・吐き気・息切れ・強い不安感を伴う
- あご・左腕・背中・みぞおちにじわっと広がる鈍い痛み
- 顔色が悪い・反応が鈍い・意識がもうろうとしている
・「今まで経験したことのない、強くて重い痛み」
・「じっとしても治まらず、胸の奥から重くのしかかる感じ」
こうした痛みは心筋梗塞を強く疑います。
我慢して様子を見るより、救急要請を優先してください。
心臓・胃・肋間神経痛 痛みの「出かた」の違い
あくまで一般的な傾向ですが、痛みの性質・場所・きっかけから、ある程度の見当をつけることができます。
① 心臓由来の胸痛(狭心症・心筋梗塞など)
- 場所:胸の中央〜やや左寄りの奥の方
- 性質:締め付け・圧迫・重苦しさ・焼けつく感じ(チクっとした表面の痛みとは違う)
- 広がり:左腕・肩・あご・背中・みぞおちに広がることがある
- きっかけ:階段・速歩き・荷物を持つ・寒い屋外に出たときなど、体を動かしたとき
- 持続時間:数分〜数十分(狭心症は数分以内でおさまることも、心筋梗塞は長く続くことが多い)
- 随伴症状:息切れ・冷や汗・吐き気・動悸・強い不安感など
② 胃や食道からの痛み(逆流性食道炎・胃潰瘍など)
- 場所:みぞおち〜胸の中央
- 性質:しくしく・焼ける感じ・ムカムカ・胃もたれ感
- きっかけ:食後・空腹時・夜寝ているときに悪化/前かがみで症状が出やすいことも
- 随伴症状:胸やけ・酸っぱいものが上がる・ゲップが多い・吐き気 など
- 体勢との関係:横になると悪化し、起き上がると軽くなることが多い
ただし、「みぞおちの痛み」でも心筋梗塞のことがあります。胃薬を飲んでも良くならない強い痛みや、冷や汗・息切れを伴う場合は心臓も必ず疑います。
③ 肋間神経痛・筋肉・骨格の痛み
- 場所:肋骨に沿って線状に痛む/体の片側だけの痛みが多い
- 性質:ピリッ・チクッ・ズキッとする鋭い痛み
- きっかけ:体をひねる・深呼吸・咳やくしゃみ・特定の姿勢で増悪
- 再現性:同じ場所を指先で押すとそこだけ痛い、ということが多い
神経痛や筋肉痛の多くは命に関わるものではありませんが、自己判断で「きっと神経痛」と決めつけてしまうのは禁物です。
④ 意外に多い、不整脈症状
- 若い方でも少なくないです。場所:肋骨に沿って線状に痛む/体の片側だけの痛みが多い
- 一般的にはドキドキやバクバクなどいわゆる動悸症状が多いのですが、
- 「痛い」、「違和感」と表現される方も多くいらっしゃいます。
- 判断するためには検査が必要です。(特に症状がある時の検査が、、、これが難しい)
- 若い方でも、ご不安があれば遠慮なくご相談ください。
⑤ 内臓由来の症状
- 右側で胆石、背中で膵臓(膵炎)、みぞおちで胃潰瘍や胃炎、盲腸(虫垂炎の初期症状)、腸の痛み、縦郭気腫、気胸、、皮膚の帯状疱疹、、
- これらは特徴的な部位ではありますが、人それぞれ。例外は必ずあります。
- 正直、診断は難しいです、ほんと。問診、診察、検査で総合的に判断します。
- 状況によっては総合病院へのご紹介で精密検査も考えます。
⑥ 大動脈のご病気 大動脈瘤、大動脈解離
- 心筋梗塞と並ぶ、とても恐ろしいご病気です
- 激痛です。部位が移動したり広がったり、血圧低下や目が見えにくいなど血管によって症状は様々です。
- 一刻を争うご病気です、ただし診断には精密検査が必須です。
- とにかく、強い痛みには、救急要請をためらわないでください。
- 普段から高血圧症は放置しないようお願いします。
「これは一度、内科・循環器で相談してほしい」胸の症状
- 運動・階段・入浴中に出る胸の痛みや圧迫感が何度も繰り返す
- 胸の不快感とともに、最近息切れしやすくなった・疲れやすい
- 夜中や明け方に胸の痛み・圧迫感で目が覚める
- 胃薬や市販薬を飲んでも、同じような痛みが続く
- 糖尿病・高血圧・脂質異常症・喫煙歴があり、心配な胸の症状が時々ある
- 「これまでの胸やけ・胃痛とは、どこか違う感じがする」
当院でできること(検査・治療・連携)
- 問診:痛みの性質・持続時間・きっかけ・既往歴・家族歴などの整理
- 身体診察:心音・肺音・血圧・脈拍・下肢のむくみ・圧痛の有無など
- 検査:心電図・血液検査・胸部レントゲン・心エコー(心臓、頸部、腹部超音波)など
- 心臓が疑わしい場合:循環器専門医として、狭心症・心筋梗塞・心不全などの評価
- 胃の病気が疑わしい場合:内視鏡検査が必要なケースでは専門施設と連携
- 肋間神経痛・筋骨格性疼痛:鎮痛薬・貼り薬・ストレッチ指導などの保存的治療
- 必要に応じて救急病院・循環器専門病院への紹介
夜中に不安になったときの考え方
夜間や早朝の胸の痛みは、不安も相まって余計に怖く感じます。
つぎのように整理してみてください。
- 「締め付けるような強い痛み」「冷や汗」「息切れ」が同時にある → 迷わず119番を検討
- 痛みが数秒〜数十秒のチクチクで、体勢や押したときにだけ痛い → 肋間神経痛などの可能性が高いかもしれません
- みぞおちの痛み・胸やけ中心で、食事と関係しそう → 消化器系の可能性。ただし強い痛み・冷や汗を伴えば心臓も疑う
- ただし、ご自身での判断は(医師でも)難しいです。 ご不安ならばがまんせず救急受診を検討してください。
「うまく言えないけど なんだか変」という感覚が続く場合は一度ご相談ください。
専門医のひとこと
胸の痛みは、「大丈夫だろう」と軽く考えるのも、「全部心筋梗塞だ」と過度に怖がるのも、どちらもリスクがあります。
大事なのは、命に関わる胸痛を見逃さず、そうでない痛みはきちんと見極めて安心してもらうことです。
完璧な自己判断は不要です。
「自分で決めつけない」ことが、いちばん安全な選択肢になります。
参考になる情報
- 日本循環器学会|ガイドラインシリーズ(虚血性心疾患・急性冠症候群など)
- 厚生労働省|心疾患に関する留意事項(狭心症・心筋梗塞の症状など)
- 日本消化器病学会|胃食道逆流症(GERD)ガイドライン
- 日本消化器病学会|消化性潰瘍診療ガイドライン 2020
補足:専門的な説明(用語あり/詳しい方向け)
症状は典型的な場合とと、非典型的(予想外の症状で判明)の場合もあります。一般論を補足しますが過信はせず必ず医療機関を受診して判断を仰いでください、お願いします。
虚血性心疾患としての胸痛
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)は、冠動脈狭窄や血栓により心筋虚血・壊死をきたす病態です。
典型的には労作や精神的ストレスで誘発される胸部圧迫感・絞扼感が数分持続し、安静・ニトログリセリンで改善します(労作狭心症)。
急性冠症候群(ACS)では、安静時持続性胸痛・バイタル変動・心電図変化・心筋マーカー上昇などを伴います。
非心原性胸痛との特徴の違い
心臓由来の胸痛は「広く」「鈍く」「圧迫感主体」であることが多く、再現性のある限局性圧痛は乏しい傾向があります。※例外あり
逆に、肋間神経痛・筋骨格性疼痛では局所圧痛・体位変換・深呼吸での増悪が特徴的です。
消化性潰瘍・GERD では食事や体位との関連、胸やけ・酸逆流の有無などが鑑別上のポイントになります。
危険な胸痛のレッドフラッグ
・持続時間 20分以上の胸痛
・安静・鎮痛薬で改善しない強い痛み
・血圧低下・頻脈/徐脈・呼吸困難・冷汗・意識障害を伴う
・大動脈解離が疑われる「背部への放散痛」「左右血圧差」「急性のショック」など
これらは直ちに救急医療体制での評価が必要です。
診断アプローチの概要
初期評価では、バイタルサイン・12誘導心電図・心筋逸脱酵素・胸部X線などを迅速に行い、ACS・大動脈解離・肺塞栓などの生命を脅かす病態を除外します。
リスク因子(高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・家族歴など)と症候の組み合わせから事前確率を推定し、必要に応じて冠動脈造影・負荷心筋シンチ・CTなどを検討します。
免責:本ページは一般向け情報です。実際の診断・治療は個々の状況により異なります。受診のうえ医師の説明をご確認ください。
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更新日:2025-XX-XX 場所:岡崎市真伝町 / 岡崎整形外科・循環器内科
本ページは一般向け解説です。個別の診断・治療は来院時に医師がご説明します。
