健康診断でコレステロール高めや脂質異常といわれたら...
健診で「コレステロール高め」と言われたら
脂質異常症を放置しないために
健診結果を見て
「LDLコレステロールが高めですね」
「今すぐ治療は不要です」と言われて
少しホッとしつつも
どこか引っかかっていませんか?
脂質異常症は
症状がないまま、静かに進行する病気です。
だからこそ「よく分からないまま放置」されやすく、
気づいたときには心筋梗塞や脳梗塞など動脈硬化につながることもあります。
脂質異常症とは?
血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が多い状態を
脂質異常症と呼びます。
- LDLコレステロール(いわゆる悪玉)
- HDLコレステロール(善玉)
- 中性脂肪(TG)
特に問題になるのがLDLコレステロールの増加で、
血管の内側にたまり、動脈硬化を進めていきます。
自覚症状がないのに、なぜ危険?
脂質異常症そのものでは、
痛みも、苦しさも、違和感もありません。
しかし血管の中では、少しずつ確実に変化が起きています。
- 血管の内側にコレステロールが沈着
- 血管が硬く・狭くなる(動脈硬化)
- 血流が悪化、血栓ができやすくなる
・狭心症・心筋梗塞 (心臓の血管)
・脳梗塞・一過性脳虚血発作(脳の血管)
・下肢閉塞性動脈硬化症 (足の血管)
健診の数値、どう考える?
健診の基準値と、治療が必要かどうかは同じではありません。
- LDL 140〜159:生活習慣改善をまず検討
- LDL 160以上:背景次第で治療検討
- 糖尿病・高血圧・喫煙・家族歴がある場合はより厳格
ただし一般的な目安であり年齢・性別・既往症・生活習慣を踏まえて、
「あなたにとっての適正値」を判断することが重要です。
特に、動脈硬化に関連する持病のある方はより厳格なコントロールが重要です。
こんな方は一度ご相談ください
- 健診でLDLコレステロールが高いと言われた
- 家族に心筋梗塞・突然死の方がいる
- 若い頃から数値が高い
- 動悸・胸の違和感・息切れを感じることがある
- 薬を飲むべきか迷っている
- ご家族に、LDLコレステロールが非常に高い方がみえる(中には遺伝として重度の高コレステロール値を呈する方もみえます)
当院でできること
- 健診データの再評価(本当に治療が必要か)
- 血液検査・心電図・心エコー
- 頸動脈エコーによる動脈硬化評価
- 生活習慣改善の具体的提案
- 必要最小限の薬物療法
「薬は一生飲むの?」という疑問
これは外来でとても多い質問です。
答えは一つではありません。
必ずしも、異常を指摘されたすべての方に飲み薬が必要になるわけではありません。
生活改善で下がる方もいますし、薬が必要な方もいます。
大切なのは
まずは現状の把握、そして治療は
「なんとなく始める」「なんとなく続ける」ではなく、
目的とゴールを共有したうえで治療することです。
専門医のひとこと
脂質異常症は
“今つらくないから後回し”にされがちな病気です。
でも、心筋梗塞や脳梗塞の多くは、
その「何もしていなかった時間」の積み重ねで起こります。
数値を正しく理解し、
必要な対策を、必要な分だけ。
それが一番安全で、現実的な選択です。
参考になる信頼できる情報
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(診療時間をご確認ください)
更新日:2025-12-22 場所:岡崎市真伝町 / 岡崎整形外科・循環器内科
本ページは一般向け解説です。個別の診断・治療は来院時に医師がご説明します。
補足:専門的な解説(用語あり/詳しく知りたい方へ)
脂質異常症と動脈硬化の病態
脂質異常症、とくにLDLコレステロールの上昇は、動脈硬化性疾患の最大の危険因子です。
LDL粒子は血管内皮を通過して内膜に侵入し、酸化LDLとなってマクロファージに取り込まれ、泡沫細胞を形成します。
この過程が進行すると脂肪線条 → 粥腫(プラーク)が形成され、血管内腔が狭窄します。
プラーク破綻と急性冠症候群
動脈硬化プラークは必ずしも「高度狭窄」で症状を起こすわけではありません。
不安定プラーク(脂質コアが大きく、線維性被膜が薄いもの)は破綻しやすく、
血栓形成を契機に急性心筋梗塞・不安定狭心症を発症します。
LDLコレステロール管理目標
治療目標値はリスクに応じて設定されます。
- 一次予防(低〜中リスク):LDL < 120〜140 mg/dL
- 高リスク(糖尿病・CKD・喫煙など):LDL < 100 mg/dL
- 二次予防(冠動脈疾患既往):LDL < 70 mg/dL(場合により <55)
これは「数値を下げること」自体が目的ではなく、
将来の心血管イベントを減らすことが本質的なゴールです。
中性脂肪(TG)高値の意味
中性脂肪高値は、インスリン抵抗性・内臓脂肪型肥満・飲酒過多と関連します。
TG高値そのものよりも、小型dense LDLの増加、HDL低下を介して動脈硬化リスクを高めます。
薬物療法の考え方
第一選択はスタチンで、LDL低下とともに抗炎症作用・プラーク安定化作用を有します。
十分な効果が得られない場合には、
- エゼチミブ(小腸コレステロール吸収阻害)
- PCSK9阻害薬(重症例・二次予防)
などを組み合わせることがあります。
「若いから大丈夫」は危険
若年者でも家族性高コレステロール血症(FH)では、
未治療のまま30〜40代で心筋梗塞を発症することがあります。
LDLが180mg/dL以上、若年発症、家族歴がある場合は要注意です。
フォローアップの重要性
脂質異常症は「一度診断して終わり」ではありません。
治療反応・副作用・生活背景を確認しながら、
定期的な血液検査とリスク評価を行うことが重要です。
免責:本ページは一般向け情報です。治療方針は個々の病状・リスクにより異なります。必ず医師の説明を受けてください。
